自己紹介

日本からアメリカへ 11 キャリア

日本からアメリカへ 11

ポスドク研究員時代の私の主な仕事は、マイクロサテライト不安定性の原因遺伝子の一つに機能欠損がある場合、他のどの単一遺伝子の機能が細胞の生存に必須であるかを実験モデルである酵母を使って探索することでした。こういった、1つの遺伝子のみの欠損では細胞は生存できるが2つの遺伝子の機能欠損があると細胞が生存で…
日本からアメリカへ 10 キャリア

日本からアメリカへ 10

1999年から1年間の予定で始まった、ペンシルバニア大学における私の分子病理学フェローシップは非常に楽しい経験で、フェローシップディレクターのDr. Debra Leonardも、指導医のDr. Robert Wilsonも申し分のないメンターでした。1年の間に分子病理学の基礎、検査の実際と実践、報…
日本からアメリカへ 9 キャリア

日本からアメリカへ 9

1999年に名門アイヴィーリーグの一角であり、全米で最古といわれる医学校があるペンシルバニア大学において私の分子病理学フェローシップが始まりました。このペンシルバニア大学の分子病理学フェローシップは今から30年も前、1995年にスタートした全米でも最古といえるプログラムでした。 まだこの時点では、分…
日本からアメリカへ 8 キャリア

日本からアメリカへ 8

フェローシップ応募の際には、ハーバード大学附属のマサチューセッツ総合病院での病理科5年次レジデントのポジションにも応募し、面接までしましたが、オファーはなしでした。フェローシップあるいは5年次レジデントの本格的なインタヴューをしたのは、ペンシルバニア大学、ピッツバーグ大学も入れた、たった3か所でした…
日本からアメリカへ7 キャリア

日本からアメリカへ7

以前、ブログを読んでくださっていた方はご存知だと思いますが、私が日本からアメリカへ渡ることになった経緯を書いた、日本からアメリカへというシリーズがあります。前の記事から、いつの間にか数年たってしまいましたが、このシリーズを続けて行きたいと思います。 前回書いたように、米国医師国家試験(USMLE)の…
上から言葉問題2 科学のための科学

上から言葉問題2

前回、上から言葉問題について触れました。これは立場が上の人は(下の人と違って)ぞんざいな言葉を使ってもよいという日本社会のいびつな慣習です。 科学界だけでなく、日本社会のありとあらゆる場面で、この慣習がまかり通っており、上下の立場関係なく行われるべき活発な意見の交換を阻害します。これが若い人の成長を…
上から言葉問題1 科学のための科学

上から言葉問題1

日本の学会や会合に参加するとあちこちで耳にする上から言葉。どうも私には腑に落ません。個人的には聞いていて正直あまり気持ちのいいものではないです。人によっては初めて会った、接点がほとんどないほぼ知らない人なのに年上だから、同じ学校の先輩だからという理由だけで、上から目線の非丁寧語で話しかけていることも…
2025年 新年の挨拶 自己紹介

2025年 新年の挨拶

皆様あけましておめでとうございます。   今年の6月25日、7月1日はそれぞれ渡米の日から、米国で仕事を始めてからちょうど30年という記念すべき日になります。紆余曲折あっていまだに米国在住ですが、来た当初は研修中という立場ですし、3、4年先にどうしてるかもわからない身分でした。まさか30年…
東京医科歯科大学での学術顧問としての講演内容(学んだことは全て役立つ・他人と違うことをする) キャリア

東京医科歯科大学での学術顧問としての講演内容(学んだことは全て役立つ・他人と違うことをする)

今まで私が働いてきて実感しているのは、結局、学んだことは全て役に立つということです。 医学部卒業後に選んだ病理学の専門性を生かして、アメリカで解剖病理学および臨床病理学の研修医となることができました。更に、研修医となったあと、ポスドク中に分子生物学実験を行い、更に分子病理診断学後期研修をすることがで…