ニューメキシコ2(カールズバッド洞窟群国立公園)

Bat Flightは、ビジターセンター近くの天然の洞窟の入り口の前に設けられたステージで始まります。夕暮れ前にレンジャーからコウモリの生態の説明があり、後は照明を落として静かにするように説明があり、みんなでコウモリが出てくるのを待つのです。

我々が訪れたのは10月初旬で、夏のピークシーズンは過ぎたものの、ガイドブックなどによればまだコウモリは見られる時期ということでした。数匹の集団が洞窟の穴から出てきたのでおお!と思ったら鳥(多分ツバメ)だということでした。暗い洞窟の前に100人くらいの人が息をこらして待っています。が、待てど暮せどコウモリは出てきません。こういうとき、アメリカ人(だけとは限りませんが)は割とせっかちだなと思います。

実際に、ほんの10分ほど待ったところでポツポツと諦めて帰る人が現れ、30分もするとほんの数組になってしまいました。レンジャーも何も言わずに立ち去ってしまったようです。こういうときは、焦って早く立ち去って後悔したくないので、我慢強く待つのが私のモットーです。しかし開始から45分ほどたちもうすでに夕暮れも終わりかけで、人気もまばらになってきました。真っ暗でゴツゴツした山道を他の車のライトも見えない中で運転する自信もないので、仕方なく諦め車で30分ほどかかる近くの街のホテルに向かいました。

翌日の朝、ビジターセンターを再訪して今度はいよいよ洞窟の体験です。昨日目撃した天然の洞窟の入り口がすごそうだったので、どんな感じかワクワクしていました。洞窟を満喫したいので、事前にチケットを購入しなければ入れない洞窟に行くことのできる、キングスパレスツアーを予約しておきました。このツアーは人気のため当日購入は満席が多いようです。まずはエレベーターを使って地下の集合場所に集合しました。

エレベーターを出ると、なんとびっくり。薄暗くて、かび臭いようななんとも独特の洞窟の匂いのなかに、売店やお土産売り場があるのです。しかし、壁や天井はすでに天然の鍾乳洞となっています。すでに10人ほどの人たちが集まっていました。集合時間をすぎるとレンジャー同伴のもと、洞窟の奥へ進みます。鍵がかかった門を通り、洞窟の奥へと進むと、地下の奥にまるで見たことのないような空間が現れました(写真です)。こうした空間が細い通路を通じて断続的に続いているのです。あらゆるところに洞窟の装飾を際立たせるライトアップが施されています。映画製作などに携わる照明のプロによるものだけあって、とてもドラマチックですが、同時に自然の景観を邪魔しない工夫がなされています。

レンジャーがはじめにこの空間を発見したカウボーイの話をしてくれました。はじめは誰も信じてくれず、後日カメラマンを連れてやってきて、その写真をナショナルジオグラフィックに送ったところ、不採用だったとのこと。しかし後日その写真が再発掘されてカールズバットが世界に知れ渡ることになったとのことです。よくもまあこんな不気味な洞窟の中を探検したと思いました。

ツアーのあとは、レンジャー無しで入ることができるビッグルームを探検しました。ここは名前の通りとても広い洞窟が広がっており、装飾も豪華でした。最奥まで行くと、更に奥の真っ暗闇の中に洞窟が広がっているのを見ることができます。実際、まだ洞窟の探求は続いているということ。とても神秘的で、怖い気持ちになります。一周して探索を終えた後は、一旦エレベーターで地上に上がり、昼食をとったあと、昨日コウモリを見に行った地上からの入り口から、エレベーターホールのある空間までを降りるルートを歩くことにしました。

コウモリの入り口から中へ入っていくと、アンモニア臭が充満しています。コウモリその他の動物のものと思われます。急な斜面をどんどん地下方面へと下っていくと、一気に空気が良くなりました。洞窟の空気は温度差などにより自然に循環するとのこと。先へ進んでいくと、地上の明かりが少し見える程度で、地中世界へ潜っていく感じが本当にスリルがあります。周りにはもちろん豪華な鍾乳洞の装飾が広がっています。

30分から40分たった頃でしょうか。ついにエレベーターホールがある空間へやってきました。この道を歩いたことで、地上から地下へとアリの巣のように広がっている洞窟の全容を把握することができて、とても良かったと思います。帰りは疲れたのでエレベーターで一気に地上世界へと帰りました。

とても興味深い場所でした。もう一度行ってみたいくらいです。

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