タンパク質名称の標準化プロジェクト
2021年1月8日
先日の記事で述べたとおり、私が長年問題意識を持ちつづけていた、タンパク質を含む遺伝子産物の名称が乱立している大問題について、共同研究者とともに米国科学アカデミー紀要(PNAS)にオピニオンペーパーを発表することができました。
https://www.pnas.org/content/118/3/e2025207118
詳しくは先日の記事を読んでいただきたいのですが、タンパク質の名称乱立は、単なる名称の問題にとどまらず医療過誤その他の重大なミスを引き起こす可能性すらある大問題なのです。しかしながら、米国国立衛生研究所(NIH)などの団体の呼びかけにも関わらず、未だ標準化には至っていません。
私はこれからもこの問題の解決について複数の関係学会を巻き込んで大きなプロジェクトの立ち上げを主導し、貢献するつもりです。それとともに科学業界や医療業界に遺伝子産物名称標準化の必要性を積極的に呼びかけていく予定です。
これを読んだ研究者のみなさんも、タンパク質の名前については、Human Genome Organisation (HUGO) のGene Nomenclature Committee (HGNC) の定めたHGNC Gene Symbolに“Protein”をつける、そして必要に応じて従来の名前を括弧内に記す、という非常に簡便な名称標準化を始めてみてください。