科学のための科学

Highly Cited Researchers 2022 分子病理疫学(MPE)

Highly Cited Researchers 2022

今年も、クラリベイト・アナリティクス社のHighly Cited Researchersに選んでいただくことができました。トムソン・ロイターから社名が変わる前も含めると2014年から9年連続になります。この賞は論文の引用回数を分析してトップ0.1パーセントの研究者に与えられる賞ということです。引用回…
国際生化学・分子生物学連合の分科委員会 科学のための科学

国際生化学・分子生物学連合の分科委員会

私は、タンパク質の名称が乱立している問題に以前から問題意識を持ってきました(こちらの記事に私の考えについて詳しく書いたのでぜひ見てください)。これについて、米国科学アカデミー紀要(PNAS)にオピニオンペーパーを発表したことが縁となり(こちらの記事)、国際生化学・分子生物学連合(IUBMB)の非酵素…
嬉しいニュースHighly Cited Researchers 2021 分子病理疫学(MPE)

嬉しいニュースHighly Cited Researchers 2021

今年も、クラリベイト・アナリティクス社のHighly Cited Researchersに選んでいただくことができました。トムソン・ロイターから社名が変わる前も含めると2014年から8年連続になります。前にも書いた通り、引用回数が多い=素晴らしいサイエンスであるとは限りませんが、一つの参考指標として…
科学と政治の健全な関係とは 科学のための科学

科学と政治の健全な関係とは

先日からニュースを見ていて、気になったことがあるので書いてみたいと思います。それは、新型コロナウイルスの流行抑制のための科学的エビデンスと政治の関係です。 今回のパンデミックでは、科学的エビデンスに基づく政治判断の重要性が一般の人たちにもより身近に実感されているように感じます。なぜなら、ウイルスの流…
統計学は科学・経済・社会を統べる!5 分子病理疫学(MPE)

統計学は科学・経済・社会を統べる!5

前回は、メタ解析論文の多くが科学的信頼性の低い論文を区別することなく解析を行っているケースが多いことについて述べました。その結果、多数の論文の解析によってより信頼性が高くなるはずのメタ解析の多くが、科学的信頼性がほとんどないものになってしまっている現状があります。 さて、これはメタ解析に限らない話で…
統計学は科学・経済・社会を統べる!4 分子病理疫学(MPE)

統計学は科学・経済・社会を統べる!4

前回の記事から少し時間が経ってしまいましたが、これまでに、科学的なエビデンスやその根拠となる統計学の重要性が社会で軽視されがちであること(こちらの記事)、一方で科学的根拠の基準として用いられているP値が本来の意味を逸脱した形で濫用されており、その結果多くの科学論文において再現性がなくなったり低くなっ…
統計学は科学・経済・社会を統べる!3 分子病理疫学(MPE)

統計学は科学・経済・社会を統べる!3

前回の記事で、多くの論文の科学的根拠となっているP値が完璧ではないということを書きました。 これは非常に重大な問題であるのにも関わらず、あまり表立って議論されていないように見受けられます。また、前回も書いたように、多くの再現性のない論文が生産される一つの要因にすらなってしまっています。この問題はいわ…
統計学は科学・経済・社会を統べる!2 分子病理疫学(MPE)

統計学は科学・経済・社会を統べる!2

以前の記事で、統計学の重要性と、科学の信頼性に与える影響について書きました。今回は少し専門的になりますが、より具体的な事例について説明したいと思います。 研究者の皆さんなら誰でもご存知だと思いますが、得られたデータを統計処理する際に用いられる、Pという値があります。例えばAとBという2つの集団のある…