隠れた名曲の数々 

少し前の話になりますが、ボストン交響楽団(BSO)の定期演奏会にErnest Chaussonの交響曲を聞きにいきました。私は古いCDを持っていてこの曲を気に入っていましたが、BSOがやるのは31年ぶりだったそうで、私が2001年にボストンに来てから初めて取り上げた曲ということになります。あまりに素晴らしかったので、いつもの金曜の昼に加えて、日曜の昼コンサートでもう一度聞くことにして2度目も堪能しました。次にやるまで30年も待てなかったので。

余談ですが、ボストンに来てからコロナ禍に突入するつい最近まで、土曜日の夜のコンサートをサブスクリプションしていたのですが、開始時間が夜8時と遅すぎて、寝る時間が11時を超えてしまうのが耐えられず、長年キープしていた2階バルコニー前方の席を断念して、金曜昼のコンサートに変えました。

ちなみに今回のコンサートの前半は若き韓国人ピア二ストYunchan LimがRachmaninoffのピアノ協奏曲第3番を演奏しました。この曲は有名でコンサートでは良く演奏されます。これも素晴らしい演奏でアンコールつきでした(金曜と日曜ともちがうアンコール曲で)。両日とも韓国人らしき人がいっぱい来てましたが、なんと後半のChaussonの交響曲を聞かずに大量に帰ってました。実にもったいない。

まあコンサートでは普通同じような作曲家の同じような名曲ばかりやります。もちろん名曲なんですがそればかりやるので、他の名曲を聴けなくて少し残念に思います。まれにしか演奏しない作曲家にも名曲が結構あります。昔聞いた曲ではたとえば、Reinhold Gliereの大作、交響曲第3番Illya MurometzをCharles Dutoit指揮のモントリオール交響楽団がカーネギーホールで演奏したコンサート(確か2001年に)とかまだよく覚えてます。ほかにもBohuslav Martinůの交響曲第3番、Franz Schmidtの交響曲第4番、Frederick Deliusの狂詩曲Brigg Fair、武満徹のAsterism、Karol Szymanowskiのロジェ王など、今に至るまで一度きりしかコンサートで聞く機会がありません。

まだボストンに来る前でしたが、Einojuhani Rautavaaraの交響曲第8番(旅)のフィラデルフィア管弦楽団による世界初演を私は聞きました。それも冬のフィンランドの荒涼とした情景を思い描かせる素晴らしいものでした。なにより驚くべきことに作曲者本人が最前列の私のとなりの席に座ったのです!彼は英語を理解されなかったのですが、プログラム本を出すとそこにサインをくれました。

来月4月にはBSOがMessiaen のトゥランガリラ交響曲を有名なピアニストのYuja Wangの演奏でやりますが、これは比較的よくやる曲で、前にもコンサートでボストン響の演奏を含めて2度聞いています。すごく楽しみです!

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