ニューヨーク2(アメリカでのキャリア形成)

また少し前のニューヨークでの話です。

次の夜はニューヨーク大学医学部のTanese先生、マウントサイナイ病院のOishi先生と、大学の後輩でコロンビア大学の島田先生夫妻との会食でした。皆さん、色々なタイミングでアメリカにやってこられてキャリアを形成し、各々の大学で教員として活躍されている方々ですので楽しくお話させていただきました。

遅くなりましたが、島田先生アレンジありがとうございました!

Tanese先生はニューヨーク大学医学部の副学部長をされているということ。研究者で副学部長にまで登りつめる日本人はアメリカでも珍しいですので素晴らしいことです。

その時にお話させて頂いたことを踏まえて、アメリカでのキャリア形成について私なりに思う事を書きたいと思います。

日本では、アメリカは競争は激しいものの余計なしがらみがなく、自由に実力で勝負できるというようなイメージが強いかもしれません。

実際にアメリカでやっていると、このイメージは正しい面もありますが、違っている面もあります。当然ながら人間社会には足の引っ張り合いなどどこでもありますし、アメリカの方が競争が激しい分、日本よりも直接的なやり方で被害を受けることもあるでしょう。

また、アメリカでは何をするにしても経済的な側面(要はお金)が全面に出ることが多いと感じます。確かに合理的ですがある意味シビアです。

アメリカの悪い所ばかり書きましたが、もちろん個人の実力は評価されやすいですし、何でも自己責任のもとで(これは本当に重要なので何でも自分でよく考えて判断しないと誰も助けてくれません)自由は認められているので、私のように自分の力でやっていきたい人には向いていると思います。

日本でも本当ところは自分のキャリアの成功も失敗も自分のせいなのですが、その点をキャリア形成中に皆が明確には意識していないように思います。もっとキャリアの発展のための行動を自分の判断で起こせるようにすべきではないでしょうか。

またキャリア形成にとって良いメンターを見出すことはとても重要なので強調しておきます。

私も若手の頃に数々のメンターに出会い、自分を認めてもらいここまできました。

これについてはまた別の記事で書きますが、私のアメリカ生活初期における重要なメンターはピッツバーグで出会った福島孝徳先生でした。別に福島先生は私の指導をしていたわけでもなく、同じ病院に所属する日本人として私が勝手に色々学ばせて頂き、メンターと思っていただけです。

メンターは自分で選ぶものです。良く自分の研究室のボスのことが尊敬できない、不満があるなどの話を聞きますが、そうであればそこを辞めて他の研究室に行けば良いだけです。良いメンターと巡り合うためには運も大切ですが、同様に行動も大切です。

皆さんもどこでキャリアを築くにしても、自分の頭で考えて積極的に行動することを大切にしていただきたいと思います。

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