渡米30周年

今日6月25日は、私が病理科学研修のために渡米してからちょうど30年となります。いろいろな人と機会との出会いがあり、今日この日を迎えることができました(私の渡米の経緯などについては日本からアメリカへをご参照ください)。

今になって、特に私が痛感するのは、20代そして30代までの若いころの方向性の重要さでしょうか。当時なにげなくとか仕方なく選んだことが、後になって非常に大事だったということがよくありました。同時に40代になってからもいくつも選択の余地があり、何事も何歳から始めても遅すぎることはないということも言えます。私は39歳になってから本格的に疫学分野に参入し、分子病理疫学(MPE)という独立新分野の提唱したのは41歳のときです。

メンターも自分で納得して選択することが重要だと思いました。ポスドク時代(1999から2001)のPIには科学上で教わったこともそうですが、人を褒め尊重するなど、科学そのもの以外に教わったことが多かったです。

ハーバードで仕事を初めてからは、メンターであり共同研究者でもある、腫瘍内科医のCharlie Fuchs博士と一緒にPCIBM(前向きコホート内発生腫瘍バイオバンク手法)の原型を開発し、分子病理疫学(MPE)という新分野の研究するという幸運に恵まれました。

彼らは上司ですが、どちらかというと共同研究者という感じで、私には複数の良いメンターにはめぐまれましたが、科学上の師匠がいないということも、あとで考えると幸運でした。

その後、自分でよくよく考えた末に分子病理疫学(MPE)の概念は2010年に結実しました。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3040598

そして今年2025年にようやくPCIBMの概念がまとまりそうです。

まだ論文は査読中ですが、すでにPCIBMは論文の題名に使いました。

https://bmjoncology.bmj.com/content/4/1/e000787

PCIBMの初登場はこの論文です。

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19490976.2025.2452237#abstract

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