ハゲタカ(プレデター)にかかわるな!1

先日の統計の重要性についての記事の中で、研究不正の根本的な原因の一つに科学の表面的な評価があると述べました。

論文数やミーティングでの発表回数などの表面的な実績を稼ぎたい研究者と、論文掲載料や登録料などでビジネスをしたい業者との利害関係が一致して近年横行している商売がいわゆるハゲタカ(プレデター)ミーティング、ハゲタカ(プレデター)ジャーナルと呼ばれるものです。

例えば、私がハーバードで二年に一度主催している国際分子病理疫学(MPE)ミーティングのようなミーティングがあるのかをグーグル検索してみると、なんと!去年ドバイで既に6回目の国際分子病理疫学コングレス(本家?である私の主催するミーティングよりの1回分多い)が行われた模様です。

このようなハゲタカミーティングは大抵、出席・発表するために高額の登録料を支払わされたり、発表に聴衆がいなかったり、突然開催が中止になったり様々なトラブルが起きているようです。

ハゲタカジャーナルも同様に、掲載料を支払えば論文が査読なしに掲載され、表面上は実績になるかもしれませんが、科学的にはそんな論文は無意味どころか質の悪い研究者や論文を量産することでむしろ害をもたらしています。

私も私の同僚もいろんなハゲタカが毎日毎日、何十ものEメールを送ってくるのに辟易しています。我々の貴重な時間の無駄です。すごい害悪といえます。

私はハゲタカミーティング、ハゲタカジャーナルからのEメールを一瞬で見分けることができるようになってきました。

ハゲタカミーティング、ハゲタカジャーナルは、はっきりいって科学界にとって害しかない、世の役にたたない商売です。しかしこれは儲かるようで、一向に消える気配はありません。それどころか増えている感じがします。

そもそも何故、このように表面的な実績を追い求める研究者がいるのか。それは一言でいうと研究費のパイに比べて研究者が多すぎるからです。私はそもそもの原因は大学やその教育プログラムの増加による研究者の量産にあると考えています。

次回へ続く)

PixabayのAlexas_Fotosによる画像

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