イギリス出張7(大物科学者と偶然の相席)

チャンスや幸運はどこに転がっているかわかりません。

いよいよボストンへ出発の日になりました。前日深夜までパーティーが盛り上がったのに、朝は8時から半日のセッションです。

午後、近くのヒースロー空港へ行くまでの空き時間にハーバードからきた同じチームの同僚たちとウインザー城へ観光に行きました(写真)。ちなみにロンドンの郊外にあるウインザー城には近々ハリー王子とメーガン妃が移り住むとのこと。また、有名なイートン校が近くにあることも今回初めて知りました。

皆で楽しく観光したあとはタクシーでヒースロー空港へ。ボストンとロンドンの間には日に何便もの直行便が運行しています。実際にカリフォルニア州に行くのとほぼ同じ(少し長い)飛行時間ですし、ボストンがあるマサチューセッツ州など6州はニューイングランドと呼ばれています。今回もあちらこちらでボストン周辺で聞いたことのある地名(例えばケンブリッジ、ブライトンなど)に遭遇し、改めて歴史的なつながりを感じました。

ブリティッシュ航空の飛行機に乗り込んだ時のことです。私はよくお手洗いを利用するので通路側の席が好きなのですが、今回は窓側席しか取れませんでした。しかし大変幸運なことに私の隣の席に座っていたのがハーバード大学でもとりわけ有名な某教授(選ばれた科学者しか所属できないハワード・ヒューズ医学研究所の研究者でもある)でした。実はその人はハーバード大学でもトップクラスの教授しかもらえない特別なタイトルつきの「グレゴール・メンデル(Gregor Mendel)遺伝学教授」です! 教授タイトルの前に歴史に名を刻んでいる著名な科学者の名前があるのは特別でとてつもない名誉です。しかもそれが「メンデルの遺伝の法則」のあのメンデルなのでどれほど特別かわかると思います。

実は彼は同じ Cancer Research UK Grand Challenge に選ばれた別のチームリーダーとして同じサミットに参加していましたが、今までじっくり話したことはありませんでした。

さてこういう時、皆さんならどうしますか?私は与えられたチャンスを最大限に活かすことを信条としているので、まず自己紹介し、相手の顔色を見ながら色々と話しかけて、自分を知ってもらうことにしています。

この教授はアメリカでは珍しく若干とっつきにくい印象の人で、普通の人なら話しかけるのをためらうかもしれませんが、私が何度もフランクに話しかけるうちに、笑顔をみせてくれるようになりました。

話のとっかかりとしてまず私が持ち出したのはノーベル賞のノミネートです。実は最近私はノーベル委員会に今年のノーベル生理学・医学賞のノミネートを依頼されたのですが、ノーベル生理学・医学賞は誰がいいか彼の意見を聞いてみました。この件については秋に受賞者が決まったときにでもまた触れます。

色々話をしていると、彼はたとえビジネスクラスのフライトをオファーされても出張にでかけることはほとんどないとのこと(恐らく今回はリーダーだったので致し方なくだったのでしょう)。彼ほどの大物になると出かけなくても向こうからやってくるし、ボストンにいれば情報も集まってくるのでしょう!!そんな彼とじっくり話す機会ができるなんてこんなラッキーなことはありません。

ちなみに、この教授の奥様は日系アメリカ人とのこと。実は我々のチームリーダーのマシュー・マイヤーソン(Matthew Meyerson)教授も若い頃に日本に留学していたことがあり、漢字が少し読めるほど日本好きとのことでした(ブログを見せたところ一生懸命読んでくれました)。エズラ・ボーゲル(Ezra Vogel)ハーバード大学名誉教授はいうに及ばず、ブロード研究所所長のエリック・ランダー(Eric Lander)教授など、ハーバード界隈の大物にも実は日本とつながりがあったり日本が好きだという人は意外と多いように思います。

チャンスや幸運はほんとにどこに転がっているかわかりませんが、それを活かすことができるかは自分次第です。

このように今回の旅は最後までたいへん実りの多いものとなりました。

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